遊具のない遊び場

年をとってから見返して笑えるようなに 。twitter @michiru__nagato note https://note.com/a_maze_amazes_me

満潮の日常

今日はとても良い日だった。4限にSPIの無料講座を受けるつもりでいた。本当は3限に受けて、さっさと家に帰ってまったりしたかったが諸事情で4限に受けることにしていた。ただ家で1人、大学に行くまでだらだらすることが最近では難しい(ゼミでやらなきゃいけないことがどうにも難しく、それに対する無理やんこんなんという気持ちとやらなきゃダメという意識があるし、やりたいこともないから1人でいるとうじうじしてしまう)。どうしようかと思って朝ごはんを食べていると、友達からラインが来ていてからが3限暇なら一緒に何か話そうかなと思い、実際それは実現した。10時に家を出て、新宿のブックファーストオーケンの全小説1を買ってから部室に向かった。改札を出たところで友達に肩を叩かれた。

3限の間は部室で音楽をかけながら、音楽の話をして過ごした。何も話さない時間もあった。部室にあるノートに何かを書こうとしたけど、思いつくことが下ネタやパンチが効いてなさすぎて書いてすぐ消した。「8月38日 バグった」と何週間前の僕は書いたが、それに勝るようなことが書けなかったのだ。そうしていると講座に間に合うか間に合わないかという時間になっていて、タバコを吸わなければ間に合うけど、僕としては吸わないと辛いので、少し遅れて参加しようと思って部室を出た。

大学の喫煙所でタバコを吸っていると、行かなくても良い気がしはじめた。これは単にやりたくなかったからだったけど、友達は6限まで暇とのことで、もっと遊べるじゃんという思惑があったのかもしれない。どうせ家でもできるし(まぁ結局家ではやらないのがオチだとは思うけど)と正当化して、サボった。何するかは全く考えていなかった。そうして、「どうするんですか?」と尋ねられて「コーフクの◯学でも見にいく?」とふざけ半分で言ったら、「いいですよ」と言われたので、某新宗教のビルを見に行った(最近書いている小話があって、その中で女2人が散歩をするシーンを書こうと思っていたから、割合いい方向に転がったなと思った)。某大川がいる新宗教のビルを見た後は、適当に歩いた。そういえば商店街があったな、行きたいなと思ったので結構有名?な商店街を歩いた。そりゃあ有名なんだからシャッターが見えるわけがないよ。そこを今となっては思い出せない会話をしながら歩いていると、酒屋があって、ハイネケンが置いてあったので吸い込まれた。僕はイギリス🇬🇧に行ったこともあるし憧れているし曇り空が多いという特徴に少し落ち着きを覚えていたから、光に集まる蛾のように……。結論から言うとハイネケン3本とグラスの付いたセットを買った。謎のお得感やハイネケンのグラスでハイネケンを飲むという特別感があった(店を出るときに、「ありがとうございました」とスピーカーから聞こえた。割合に大きい音量だった。良い)。歩きながら飲もうと思ったが、小学生が目立ったので、悪い影響・悪い印象を与えたら嫌だったから飲まなかった、この時は。途中でミシン屋さん(ミシン屋なんて見たことがなかったので、本当に驚いたし、シャッターを閉めないぐらいには経営できていることが嬉しかった。この土地の人は裁縫をするのかと思った)、牛乳屋さん(最近は牛乳を飲んでいないと気づいた)とかがあった。友達は「たまこマーケット」について話していた。商店街の口から尻の穴へ出たわけではなくて、多分大腸ぐらいから入ったが、凄い長い商店街だとおもう。

商店街を抜けても、しばらく歩いた。多分来た道を戻るのがなんか嫌だったのかも。それに時間はたくさんあるし、目的もなく歩くのが良かった。服屋があったけどクセが強くて狭かった。入らなかった。珈琲屋さんがあったから、入りたくなった。けど、店内には誰もいなくて入るのが躊躇われたけど、最終的に入店。コーヒー豆を売っている店だった。もともとコーヒーについては興味があったので、おススメとか「苦くて酸っぱくないやつ」みたいなこと聞いた。店長のおすすめを買った。240で1200円。マンデリン ビートルという名前(今ある分だけらしい。今度行ったときにはなくなっているかもしれない)。店で焙煎してくれてその間にコーヒーを一杯頂いた(多分サービス)。ブルーマウンテンだった。正直驚いた。3000円とかするような高い豆だよ?それ。しかも自動のコーヒーミルが照明のせいかすごく綺麗だった。エンジ色と金の縁。コーヒーを入れてくれる時に、コーヒーの淹れ方を教えてもらった。100gに対して100ml、お湯は90度ぐらいが良いとか。お茶請けにクッキーまで頂いてしまった。コーヒーとの相性もちょうど良かった。パチパチという音が聞こえた、ラーメンの湯切りみたいなこともやっていた。面白かった。会計の時に、この辺に住んでるの?と聞かれた。大学がこの近くでと言った。ぶらぶら歩いて商店街を抜けて来たと付け加えた。(商店街の方はいろいろあるけど)このへんはなにもないんだよねぇと言われた。金を払い終わりレシートとスタンプカードをもらった。10回分集めると500円割引になるらしい。店内に人が少なくて、落ち着いた。コーヒーを飲んでいる時に小学生が走っていくのが見えた。若い夫婦がチラッとこっちを見て、また前を向いたのを見た。ここには人がたくさん住んでいるのだと思った。尊み秀吉だった。それに凄く久しぶりに人から物を買った。スーパーとかショップだと企業から物を買っているので会話とかは全くしないし、凄く久しぶりに人から物を買った。人が居た。店を出た後泣きそうになった。泣かなかったけどね。帰り道は商店街を通らないでなんとなく歩いて居たら帰れるという気がしてた。

途中で使わなくなった家電用品の回収トラックが通った。女性の声が車の頭にあるスピーカーから流れていた。ドライバーの口元が何かで隠れていたから、マイク使ってやってるのか〜すごいな〜と一瞬思ったが、ドカタの現場にいそうな若い男がスマホをいじりながら運転していただけだった。その人がヒップホップしてそうで凄い良いということを友達と共有した。興奮していた。

適当に歩くと普段は絶対に通らない道、駅から大学へ行くには逆の方向に出た。こんなところに通じているなら、またコーヒー豆屋さんに行こうと思った。駅の喫煙所でタバコを吸っていると土曜日に参加したイベントで縁があった企業からインターンの案内が来た。最初は非通知だったから出なかったけど、留守電を聞くと掛け直した。たまたま行ったイベントでレイソルとゆかりのある企業と出会ったので、何かの縁だと思って参加したい。今はそういうメンタル。自分の目先のことよりも、きっと縁とかを大切にした方がきっと不安は少ないし楽しくなると今は思う。折り返し電話を終えるとハイネケンを開けてふわり気分。大学に戻り普段は輩が使ってるような中庭のアルミで出来た椅子に座って話した。今日はいろんなことを話した。

友達がいなかったら僕はきっと商店街にも行かなかっただろうし、コーヒー豆屋さんにも入らなかっただろうし、何もしていないのに満たされた気にならなかったと思う。ほら、テレビのCMも一人で観てると流しちゃうけど、友達と一緒に観るとちゃんと意識がそっちに向くじゃん。そういうことかな。

三年になってから自分が大切にしたい時間や過ごし方が分かり始めている。一人暮らしは、きっと性格的に出来ないだろうけど、生活する町には人から物を買える店が欲しい。本当にそう思った。

座右の銘なんて持っていなかったけど、「一期一会」にしようかな…。それとドMさんありがと。