ふたにょうの遊び場

年をとってから見返して笑えるようなに。

「浅い睡りを睡り」について

最近読み返した本の中で「浅い睡りを睡り」という記述があって、僕は、この短い文の面白さに気づきました。

ごめんケンちゃん…君の文体はとても特異だとは分かってたけど、ここまで偏執的だとは思わなかったよ。しかも君、これを初期のうちに書いたんだって?僕は君の長編を読んだことあるけど、これより偏執的な文章を書くようになっていたとしたら、君の面白恐ろしさをまったく理解していなかったよ。僕は君の暴力的な部分だとか性的な部分に熱中していたのだけど、その中身については考えることができなかったんだよ。ありがとう。

 

この「浅い睡りを睡り」を、どう説明したもんか、全くのノープランです。僕の掌には短めの生命線があります。それはどうでもいいね。

まず、「浅い睡り」は「睡り」に「浅い」というか形容詞が付いたものであって、他にも文章の形はあったはずなんですけど、もう完全に脳内で「浅い睡りを睡り」以外に考えられないのです。「浅い睡り」は無意識のうちに起きたり寝たりを繰り返す睡眠の事を指すと思う。んで、「睡り」は睡眠を指す。

ちょっと待ってくれ。なんで、そんなトートロジーみてぇな事をやってんの?と思う人もいるし、実際に僕も見落としていた。けど、その繰り返しが大切なんだと思う。「睡りを睡り」という言葉の繰り返しと、浅い睡りの特徴である寝たり起きたりの繰り返しとが、僕の中でスッと鳩尾にパンチを繰り出した。君は僕の鳩尾に、僕は君の肩口に、互いの落ち着く居場所を見つけタララ〜。

この短い文の中から脱出した(あるいは表現された)意味が、もう凄い。やっぱケンちゃんはすげぇよ……。

 

1月10日追記

正しくは「浅い睡りをねむり」でした。

1:11

この繰り返しの文章は物語に繋がっていると思う。